用語の意味としては、次のとおりで、WPQTも追記します。
PQR=Procedure Qualification Record=溶接施工試験記録
WPS=Welding Procedure Specification=溶接施工要領書
WPQT=Welding Procedure Qualification Test=溶接施工法確認試験
要領書の意味はご承知の事と思いますが、その溶接作業版がWPSとなります
WPSに示した施工方法が確実かどうか、確認することがWPQTで、その結果を纏めたものがPQRとなります。但しPQRは各種品質確認試験をパスした事実を示し、採用した溶接方法が溶接品質を満たすことを保証するものですので、ただの記録ではありません。
余談ではありますが、社内(個人)で運用されるのであれば、不合格になった記録や要領の保存は大事と思います。
方法等については、JIS規格やASME規格、その他有りますので、お客さんからの要求であれば、何に準ずるものか確認が必要となります。
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用語の意味としては、次のとおりです。
PIM=Pre Inspection Meeting=検査前打合せ
製品の検査を行う前に行う会議という意味で、そのまま訳すと、大したものでは無いように感じますが、大事なところは発注側と製作側で共通の物差しを確認し合う機会であるということです。
まずは図面や仕様の確認が有って、製品の品質を保障するための必要な検査項目、その検査方法、判定基準等の確認、適用規格や法規の確認、自主検査、立会検査、第3者機関の検査等の検査体制、そしてスケジュールの確認。
事前に決めておくべきことを、両者で確認し合う重要な会議です。開催時期は都度違うでしょうが、図面が確定する前に開催できれば、製作側の様々な意見が反映して頂けるかもしれません。
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磁性が有ったら全くダメだというのであれば、完全オーステナイトSUS310S等を使用するしかありません。汎用ステンレスであるSUS304は、素材の状態であれば磁性は極めて低いのですが、例えば曲げ加工などを行うと加工硬化(マルテンサイト組織が誘起)が起こり、磁性を帯びます。
また、SUS304などでは、溶接部も磁性を帯びます。これは、オーステナイト系ステンレスの溶接部の高温割れを防止するため、フェライトが数%発生するよう溶接材料の設計がなされているためです。
同じステンレスでも、マルテンサイト系、フェライト系などはもともと磁石がつきますから
ステンレス=非磁性ではありません。
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二相ステンレス鋼自体は全く新しいステンレス鋼という訳ではなく、欧州では多くの実績もあります。
国内で脚光を浴び始めたのはNi価格が乱高下するようになってからです。なぜなら、広く普及しているオーステナイト系ステンレス鋼に比べ、Niの含有量が少ないからです。それでいて、使用環境によってはオーステナイト系より高い性能を示すため、当初は価格変動の少ない鋼種として着目されました。
今では、高強度、高耐食性といった、二相鋼本来の長所を活かした用途が広がっています。
ところで、二相というのは、オーステナイト組織とフェライト組織が混ざった金属組織であることから、こう呼ばれているのですが(英語表記ではDuplex=直訳:二重の、二連の)、この二つの組織が良いところ悪いところを、相互で補っている鋼種です。なので、組織の割合が一つのポイントとなっており、特に溶接などにより、組織の割合が変化すると、性能が著しく低下する恐れもありますので、十分に理解して使用する必要が有ります。
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当社の製品紹介をご覧いただくとお分かりいただけますが、ステンレス鋼も様々な場所で、構造物として使用されています。また、当社は構造物の製作も行っていますが、ステンレス構造物を構成する構造材(H形鋼、C形鋼、L形鋼、鋼板、鋼管、ボルト等々)の素材の提供も行っています。
昨今、ライフサイクルコスト(LCC)が取り上げられることが増えました。それは、社会インフラの老朽化により、維持管理費が膨大になってきたことによります。その点、ステンレス鋼を採用することによりLCCの低減が期待できますので、これから更に採用される幅が広がってくるものと思います。
”注”:本文中のLCCはライフサイクルコストです。格安航空会社(Low Cost Carrier)ではありません。
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