技術者紹介
経歴
私は中途採用で入社したので、まだ勤続18年です。
最初の仕事は、工程管理でした。物作りをするために、作り方を考えて「こういう作り方をしなさい」と現場に指示をするという仕事で、それを6年ぐらい行いました。
その後の6年は東京の本社に来まして、ステンレス鋼の構造物を拡販するために、ステンレス鋼の物作りのことをお客様に説明しながら、設計提案をするという仕事に従事しました。そしてまた工場に戻り、現在まで工場の所長を行っております。
ステンレスの魅力について教えてください。
ステンレス鋼は、生まれてからまだ100年と若い素材です。
今でも新しい鋼種が次々と生まれてきており、新たな用途開発がスタートしたばかりと云えますし、幅広い用途が未来に広がっていると思っています。
また、それぞれの鋼種に応じて加工方法や溶接方法なども変わってきますので、ステンレス鋼を扱う私たちにとっては、技術面で新しいことに挑戦するための課題や機会をどんどん与えてくれています。
こういった事が、尽きることのないステンレス鋼の魅力ではないでしょうか。
他社に負けないこと
弊社では、ステンレス鋼をメーカーから調達することから始まり、切断したり、穴をあけたり、曲げたりなどの半製品の加工、そしてエンドユーザー向けの製品の製作までを行っています。
ステンレス鋼は一般的に高価ですし、加工しづらい合金ですので、常に完成品は精度の高いものが要求されます。
ですので、その部材となる半製品の精度が悪ければ、もしくは、部材同士の摺合せができていなければ、問題が発生します。
当社は、素材から完成品までの一貫した製造管理を行っていますので、精度の高い完成品を仕上げるために、必要な品質を各工程で作りこみ、クオリティーを一定にすることができます。
そういったことが、強みであり、他社に負けないところかと思います。
印象に残っているお仕事は?
やはり印象に残っているのは大変だった仕事ですね。
某浄水場の仕事だったのですが、現地施工会社にトラブルがあったようで、途中で現地施工から外れてしまい、当社に白羽の矢が立ったのです。
弊社の工場の従業員による現場施工はこれが初めてと思います。
勝手が判らない現場です。本当に大変苦労しました。顔を真っ黒にしながらも試行錯誤し、何とか仕事をやり遂げることができました。
しかしこれが良い経験となり、次に手がけたLPG国家備蓄の仕事では、現地施工の事まで意識し、絶対失敗しないように、自分がどう動けばいいのか、また準備すればよいのかということに、慎重に取り組むことができました。このプロジェクトが成功した時には、非常に達成感を感じることができ、その後の自信にも繋がったような気がします。
印象的な出来事は?
お客様に感謝のお言葉を頂き、接待して頂いた時がありまして、この時のことが、非常に印象深く残っています。なぜなら、お客様を接待することはあっても、逆に接待されるということを経験してなかったからです。
造船関連の製品加工の仕事だったと記憶していますが、コスト、納期、クオリティーなどすべての面で、大変ご満足頂き、感謝の意として接待をして下さったのです。お客様に満足頂いたことを強く実感でき、非常に嬉しかったです。
他社で請けられなかったことを請けたことは?
直近の話では、他社で出来なかったからというか、お客様が他社にお願いした仕事に満足できずに、お客様のところで対応してみたがコストがかかり過ぎダメで、当社にて出来ないか相談を受けたことがあります。
当社の方で、テストサンプルを作成してご覧いただいたところ、最初から当社にお願いすればよかったと嘆いておられました。
当社で持っている設備の優位性もさることながら、当社の技術力を再認識頂き、ステンレス鋼の加工なら、当社に今後ともお願いしたいとおっしゃって下さいました。